今さらながらの格安スマホデビュー入門

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5c1a6d8075249e40de74477d696b056c_s思えば今年はMVNOにとっても、スマホ業界にとっても、大きな変革の時期だったのではないかと思います。多くの企業が格安スマホ事業に参入し、またサービスも大幅にグレードアップしました。何より大きかったのは、今まで格安simの殆どがデータ通信専用だったのが、音声通話機能の付いたものが続々と出てきたことです。これにより、今までは時にスマホもどきと揶揄されたMVNOも、一部機能が使えないことに目をつぶれば、キャリアに取って代わる存在にまで到達したと言えるでしょう。

docomo、au、SoftBankなどの携帯電話会社大手(キャリア)との違いは、今やキャリアメールと呼ばれる専用メールアドレスが使えないことくらいです。まあ、一部のおサイフケータイやA-GPSとかもあるだろうとか、詳しい人には突っ込まれるかも知れませんが、これからスマホを持とうと言う人にとっては、さほど問題にはならないでしょう。

タイトルに格安スマホデビューと書きましたが、スマホデビューするにあたり、格安スマホ、あるいは格安simがどういうものなのか、今一度整理してみましょう。

まず、今までのキャリア契約でのスマホデビューはどうだったかというと、これはドコモやau、SoftBankのショップや街の携帯屋さんに行けば、そこの店員さんが懇切丁寧に教えてくれるので、自分の好みのスマホとプランを契約すれば良いだけでした。他に必要なのは、月々の高い利用料を払っていく覚悟と経済力でしょう。

それが無い人と高い料金を支払うのに嫌気がさした人が選ぶのが、MVNOの格安simあるいは格安スマホです。この場合、ガラケーなどのキャリアの携帯契約は維持しつつ、2台持ちでスマホのデータ通信を格安simで補う場合と、完全にMVNO一本にしてしまう場合とがあります。また、用意するスマホを自分で選ぶ場合と、格安simとシムフリースマートフォンがセットで販売されているものを購入する方法もあります。後者を特に格安スマホと称したりします。

covia FLEAZ F4s通常契約が2つであれば、持ち歩く端末も2つになるわけですが、一部にはsimを2つ挿入できるデュアルSIMスロットを備えた、たとえばcovia FLEAZ F4sのようなスマートフォンもあります。これでしたら普段持ち歩く端末は1台で、片方にはキャリア通話sim、片方に格安データ通信simを挿入しておいて、必要に応じてsimを切り替えて使用することが出来ます。

さて、ひとつ問題となるのが、この「格安スマホ」と言う名称なんですが、先ほど書いたように、今のところは「格安simとシムフリースマートフォンがセットで販売されているもの」という捉え方で間違いないだろうと思いますが、その一方で、じゃあ価格の安いシムフリースマートフォンの事は何て呼ぶのよ?というのがあると思います。格安シムフリースマホですか?なんだかまだるっこしいですね。面倒なので格安端末と呼ぼうかとも思いましたが、そのうち自分でも忘れそうなので、その時々で考えることにします。

通常のキャリア契約の場合には、先ほど書いたdocomoショップのような正規代理店や携帯屋さんのような二次代理店で契約して、あとは購入したスマホに電源を入れて使うだけですが、格安simとシムフリースマホとの組み合わせの場合には、simの設定を自分でする必要があります。と言っても、サイトの会員登録程度の手間ですので難しくはありません。端末によっては、契約したMVNOを選ぶだけで済むものもあります。

MVNOの難しいところは、その謎の名称の理解と端末の入手方法に尽きるだろうと思います。西城秀樹がヤングマンの替え歌でYMCAのところだけをMVNOに替えて、「すばらしい MVNO」とか歌ってくれれば、おじいちゃんおばあちゃんでも口ずさむようになるとは思うんですけどね。もっとも、意味の不明さは相変わらずですが。

さて、素敵な選択肢が増えるのは良いことですが、選択肢が増えると人は迷うわけです。迷って悩み、先に進めなくなるのは人生で多くあること。やり直しが出来れば良いですが、ドラマのようにはいきません。ですので、必要なのは思い切りと過去を振り返らない強い意思です。それと同時に、後悔しないだけの情報収集です。

MVNOには多くの企業が参入してきました。今や戦国時代です。戦いがあるということは、敗れる者もいるわけです。敗れたものは去り、あるいは飲み込まれる運命です。そうなれば、提供されるサービスも無くなったり統合されたりするでしょう。月々の利用料は大して高くなくても、別会社と契約を結ぶことになれば事務手数料が発生します。それも3千円前後でしょうから大した金額ではないかもしれませんが、それにかかる手間と、やはり無駄なお金は払いたくはないですね。それ以前に、会員だけ増やして設備を増強しない企業のサービスは、品質がどんどん低下していきますから、利用中でもその使い勝手の悪さに許容できなくなるでしょう。

つまり、MVNOを利用するにあたって必要な情報は、ひとつにはサービス会社のサービス、品質内容、将来性、そしてもう一つが、自分がこれから使うスマートフォンの品質です。スマホに関しては、また後日考察することにして、とりあえず今日はMVNOについて考えてみましょう。

現在、MVNOから提供されているサービスは、docomo回線系とau回線系に分かれます。au系のMVNOは現在のところmineoとUQ mobileだけです。他は全てdocomo回線で、SoftBankはまだサービスが提供されていません。ですから殆どのMVNOはdocomoから回線の一部を借り受けて、その帯域をユーザー全員で分けあって使用するわけです。当然のことながら会員数が多いほど儲かりますが、その分混み合います。その辺りはインターネットの有料サーバーと似ていますね。物理的な問題ですから、混雑してきたら設備を増強するしか混雑緩和の方法は無いわけです。それをこれから利用しようとするMVNOがきちんとやってくれるのかどうかというのが、非常に大事になってきます。

もうひとつ気をつけなければならないのは、高速通信を謳っていても通信の応答が非常に悪いサービスがあるということ。スピードテストなどをした際のPING値でわかりますが、この数字が大きい場合、たとえば3桁になるとデータ通信を利用した際の通話のタイムラグが非常に大きくなりますし、4桁になるとまったく会話にならなかったりするでしょう。ネットゲームもゲームにならないかもしれません。もっとも、そんなことは実際に自分で装填してテストするまでわかりません。ただ、少し調べれば、MVNOのサービス品質の噂はネット上でいくらでも見つかるはずです。契約する前に是非一度確認することをお勧めします。

そしてMVNOを選んだら、その中で利用するサービスを選択しますが、それはまた次回に。

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