調査会社MMD研究所が60~79歳の男女4,398人を対象に「シニアのスマートフォン、タブレットの所有に関する調査」を実施したところ、シニアのスマートフォン所有率は38.5%と2015年の27.8%より10.7ポイント増加していることがわかりました。また、フィーチャーフォンユーザーの20.5%が今後スマートフォンへの買い替え意向ありということです。
シニアのスマートフォン所有率は38.5%、2015年より10.7ポイント増
(MMD研究所調査データ 2016/6/21)
シニアのフィーチャーフォン利用率は55.4%
60~79歳の男女(4,398人)に、普段利用している携帯電話について聞いたところ、「スマートフォン」が35.9%、「シニア向けスマートフォン」が2.6%と合わせて38.5%の方がスマートフォンを利用しており、また、「フィーチャーフォン」が50.7%、「シニア向けフィーチャーフォン」が4.7%と合わせて55.4%の方がフィーチャーフォンを利用していることがわかりました。
(出典:MMD研究所)
60歳と79歳ですと年齢的には20歳近い開きがありますので、恐らく年齢が上がるほどフィーチャーフォンの利用者が多くなるのではないかと思います。かく言う私も未だにガラケーを利用していますが、年をとるほどネットなどのデータ利用が少なくなるのではないかと推測します。携帯には電話とメール機能があれば十分と思っている方も少なくないでしょう。あとは自分が歳を取らないと見えてこない不自由さというのはあるかと思います。老眼で小さい文字が見えづらいというのは、私くらいの年代になると多くの人が共感出来ると思いますが、恐らく若者には想像もつかない世界でしょう。
しかし、今や60歳では高齢とは言えない時代になってきているようにも思います。まだまだ現役でバリバリ活躍している方も多いでしょう。そうなると、職種によっては逆にスマートフォンの利用が制限されたりする場合もありそうです。
これを見るとパート・アルバイトを含めた就労割合は、アンケート回答者の4割くらいですね。
そんなシニアユーザーの皆さんの中からスマートフォン、フィーチャーフォンを所有している方に、次に買い替えるならどの端末にするかという質問をしたところ、スマートフォンユーザーの87.6%が引き続きスマートフォンを購入すると回答し、フィーチャーフォンユーザーの20.5%がスマートフォンへ買い替える予定であることがわかりました。
スマートフォンを使うことに慣れて操作に抵抗がなくなれば、次回もスマートフォンという選択は至極当然でしょう。大きく見やすいスマートフォン画面から、小さく見づらいフィーチャーフォンに戻る理由は特にないと思います。今後フィーチャーフォン用のOSが開発されないことを考えれば、見た目がガラケーでも中身はスマホなら、最初からスマホを選択するという方も増えると思います。
ただ、ガラケーの良さは、二つ折りのコンパクトタイプなら、折りたたんでポケットにも入る持ちやすさもあります。画面がむき出しになっていないので、落としても簡単に壊れないというのも利点です。だんだんと歳を取ってくると、なぜか物を落としやすくなるんですよね。ひとつは握力も弱くなってきているのかと思いますが、いろんな部分が緩んできてるのでしょう。私の場合は最近口元が緩んできてる感じですが、頭のネジが一番緩んでいるような気もします。
シニアの格安SIMの認知度
それでは最近すっかり市民権を獲得したように思う格安スマホについてはどうでしょうか。シニアの方に格安スマホを知っていますかと質問したところ、格安SIMという言葉は聞いたことがあるがサービス名称・内容はよく知らないと答えた方が37.7%、だいたいどんなものかわかるが利用したことはない、もしくは利用を検討するまでに至ってないと答えた方が23.8%で、全く知らないと答えた方は全体の17%でした。
全体の9割近い方が、内容を全く理解していないかよくわかっていないようですね。これは高齢者が情報を得る一番の方法であるテレビ番組であまり特集が組まれていないというのと、CMがそれほど流れていないというのが大きいのではないかと思います。それと高齢者の場合はどうしても遠くまで足を運ぶのが億劫だったりしますから、近所に気軽に乗り換えられる店舗や説明できる店員がいないと、なかなか販売に結びつかないのではないかと思います。それでも現在利用している人が1割に満たないということは、これからまだまだ需要が増えるのではないかと思います。
それでは上記の質問で現在利用を検討している人たちの利用検討レベルはどうなっているかです。これは上の表で現在利用を検討している(利用したことはない)方たちに聞いた質問ですね。
なんとなく予定は未定にして決定にあらずという言葉が頭に浮かんできましたが、実際のところこんな感じなんじゃないかなという気はします。人は歳を取るにしたがって保守的になると思いますし、実際に自分で試してみないとその良さを実感はできないでしょう。経済的に余裕のある方は、わざわざ格安スマホに乗り換えるメリットや理由も特にないかと思います。
シニアにもタブレットはわりと人気
次にタブレットの所有について聞いたところ、29.6%のシニアがタブレットを所有していることがわかりました。これを所有しているデバイスで別で見ると、スマートフォンユーザーのうちの42.8%、フィーチャーフォンユーザーのうちの22.5%がタブレットを所有していました。
わりと意外だったのが、シニア層のタブレット所有率3割という数字は、今年の3月にMMD研究所が定点観測した調査結果で、20歳以上の男女にアンケートを行った結果の所有率約33%にそれほど遜色が無い点です。
また面白いのは、携帯電話を持っていない方の1割がタブレットを所有しているということです。最近では学校や自治体が生徒や高齢者にタブレットを配布する動きもありますから、もしかするとそういう人たちもいるのかもしれません。個人で購入した場合に仮にWi-Fiで家庭内だけの利用だとしても、ルーターの設置やWi-Fiの設定などはお年寄りには結構難しい気がします。
それではそんなシニア層の方たちはどんなタブレットを使っているのかというと、その結果がこちらになります。
さすがのAppleですね。ここでもスマホと同じような日本人のApple好きが鮮明に表れているような気がします。ただ、iPadシリーズ以外のタブレットはXperiaやNexusが多少強いものの、あとはどんぐりの背比べと言った感じですね。その他のタブレットが何種類くらいあるのか興味のあるところですが、MeMO Padシリーズで1.5%ということは、それぞれがそれ以下ということなのでしょう。
私個人の意見としては、高齢者はやはりタブレットという気はします。その理由は今までも散々言ってきましたが、外で電話やメールをするときはガラケー、家の中でネットを見るときはタブレット。これでいいんじゃないかと思っています。なんとなく、このブログタイトルを自己否定している感がなくもありませんが、何かの時に持ち出せるLTE対応のタブレットがあれば、あとはガラケーで十分ではないかと思っているのが本音です。
※記事内のデータはすべて「MMD研究所」からの出典です。
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