前回はキャリアメールが無いと困る人、換言すればキャリアメールが絶対に必要な人ということで考えてみました。今回は、本当に無いと困るのかどうか微妙なところの考察です。仕事上で絶対に必要という人とは別に、親戚のじっちゃんが携帯メール以外は使えないからという理由で脱キャリアメールを躊躇する場合があります。じっちゃんだけじゃなくてばっちゃんの場合も同様です。この時心配になるのは、どちらかというとお年寄りですね。孫の場合はLINEがあるので心配いりません。むしろ、じぃじばぁば張り切ります。
おじぃちゃんおばぁちゃんの何が心配なのかというと、メールアドレスが変わったら、おじいちゃんはアドレス変更の操作がまず出来ないだろうということ。仮に出来たとしても、自分が携帯メールではなくてフリーメールになってしまうと、迷惑メールフィルターで弾かれてしまうだろうと言うこと。両方とも可能性としては結構ありそうですね。実はおじいちゃんもその気になれば出来るけれど、本音を言うと面倒臭いなんてのもありそうです。
これに関しては、まったく心配の必要がありません。なぜなら、貴方にそう思わせる程度のスキルしかない爺様や婆様は、キャリアメールが届いても見ないことも多く、こちらが何を使おうがどのみち関係ありません。むしろ、キャリアメールならちゃんと届くから読めるだろうなどという過信の方が禁物です。
もちろん、うちの親はメールを送ったらちゃんと返事をくれるぞという人も大勢いると思います。もしも、そういう人がメアドが変わって変更操作不能に陥ったのなら、自分が飛んでいって変更してあげる。迷惑メールフィルターの設定が出来ないなら相手に了解を得て、My docomoなどの個人専用サイトから変更する。その方が余程早いです。 そういう融通がきく相手ばかりじゃないという人は、SMS（ショートメッセージサービス）で内容を小分けにして伝える。もっとも、人によっては嫌がらせと思う人がいるかもしれませんので、そうなる前に事情を説明しておく必要はあるかとも思います。個別具体的な状況は考えるとキリがないので、適当に割り切りも必要でしょう。大抵の用件は電話番号さえわかっていれば解決する問題です。危篤の知らせを悠長に長文メールで送る人もいないでしょう。そう考えると、本当に必要なのはキャリアメールではなくて、むしろSMSと留守番電話サービスだろうと思います。
ということで、代替サービスや代わりの方法があるものについて見て行きます。
まずは、本当に困るというか心配になる時というのは、相手と連絡が取れなくなることだろうと思います。事故や災害などのときですね。これについて考えます。
災害用伝言サービス
大規模災害などですぐに連絡が取れなくなった場合、お互いの安否を確認するために何らかの方法が必要ですが、電話回線なども不通になることも多く、すぐには連絡が取れない場合は多々あるだろうと思います。インフラが全て遮断されてどうにも連絡がつかない場合は仕方ないですが、安否確認をネットを利用して出来たら安心ですね。
以下はキャリアメールというよりはキャリアのサービスになるので、そもそもキャリアに加入していないと利用が出来ません。ただし、伝言の確認はPC等からも行うことができます。
これは家族同士で契約しているキャリアが違うと、かえって利用しづらいかもしれません。中には携帯やスマホの操作が苦手な人もいるかもしれませんね。そういう人には、被災地の方が自宅の電話番号宛に安否情報や伝言を音声で録音して、全国からその音声を確認することができる次のサービスがあります。
さらに、パソコンやスマートフォン等から固定電話番号や携帯電話・PHS番号を入力して安否情報（伝言）の登録、確認を行うことができる伝言板もあります。
日頃から家族で、いざというときの連絡方法を確認しておくのも必要かも知れませんね。
次に、「いや、俺が心配してるのはそんなことじゃない」という人のために、携帯アドレスがないと使えないサービスについて見ていきます。
LINE・GREE・ピグともなど
LINEは、そもそもキャリアに登録していないと年齢認証が出来ません。これは以前の記事にも書きましたが、年齢認証が出来ないとID検索が出来ないというものですね。ただ、これはPCからは普通に出来ますから、困るのはPCが利用出来ない人くらいでしょう。その場での交換なら、ふるふるなりQRコードを利用するなり方法はありますから、どうしても必要かと言えばそうでもありません。それじゃ出会い系として使えないじゃないかなどと言う不埒な人は、どこかへ行ってください。
GREEについては、私はやったことがないのでよくわからないのですが、最初は携帯で登録しないといけないようですね。モバゲーもそうなんでしょうか。いずれにしろ、最初は携帯メールが必要でも、一度登録してしまえば、あとはログインIDとパスワードがあればゲームをすることは出来るのでしょう。ガラケーから乗り換える前に登録を済ませておくか、親や兄弟、親戚など、その携帯で登録しても差し支えない人に借りましょう。どうしてもダメな場合には諦めましょう。ゲームなんか出来なくても死にはしません。ただ、GREEに関しては、登録をするとスパムやら広告メールがわんさかやってくるなんて話もありますので、特に誰かに借りて登録する時は注意が必要です。
アメーバピグに関しては、私も一時やってたことがあるんですが、あまりにも先が見えないのでやめました。これも出会いの問題があって、18歳未満の人と18歳以上の人では話が出来ないとか、色々変わってきましたね。そして、ピグともの招待に関しては、AmebaIDの取得の際に電話番号認証での登録が必須ということなので、携帯電話や携帯メールアドレスを持ってないと招待機能を利用出来ません。まあ、これもSMSがあればなんとかなるんでしょう。長いことやってないので、どうやって招待されたかとか、あるいは他の誰かを招待したかどうかすら忘れてしまいました。
ということで、ゲームに関しては他にもあるのかもしれませんが、どうしても携帯メールが無いと出来ないと言うのなら、それに従うしかないのでしょう。
えきねっと
3ヶ月前に京都に行った時は新幹線の切符をえきねっとで予約したんですが、その当時はまだ会員登録してませんでした。普通にパソコンから登録できるものと思っていたら、その時は回線だかシステム上の問題とかで携帯電話かスマートフォンからしか登録が出来ませんでした。おそらく結構長い期間その状態だったのだろうと思います。今はシステムも多少変わったようなので問題無いとは思いますが、「携帯版えきねっと」と「スマートフォン版えきねっと」を利用するには、それぞれ携帯電話メールアドレスが必要です。
長くなりましたが最後に銀行関係について
ゆうちょダイレクトのセキュリティキー
基本的に銀行のネットバンキングに関しては、携帯メール登録が推奨されています。ですが、携帯メールでなければ登録できないというのは、メガバンクに関しては無かったと思います。auのじぶん銀行なども口座開設の申込みにGメール登録が出来ますし、他の都市銀についても問題ないはずです。
ただし、ゆうちょダイレクトのセキュリティキーに関しては、インターネットでの合言葉の初期化に必要なセキュリティキーの送信先が、「携帯電話・スマートフォンのメールアドレス」に限定されています。ゆうちょダイレクト自体に登録するメールアドレスは他でも問題ありません。セキュリティキーとはインターネットでの合言葉初期化および利用停止解除手続きを行うための１回限り有効なパスワードで、これが登録したメールアドレス宛に発行されるんですね。不正ログイン防止のための措置なので、より安全性の高い携帯メールが必須というのは仕方ないのでしょう。最近Y!mobileのアドレスが、「推奨する携帯電話・スマートフォンのメールアドレス」一覧に追加されたようですが、MVNOはもちろんありませんね。要は自分の決めた合言葉などを忘れなければ良いことです。
しかしながら、郵便局はMVNO参入を計画しているという報道もあり、もしも実際にサービスを開始したら、ハイテク苦手なお年寄りが郵便局に押し寄せる可能性もあるんじゃないかと思います。その時に、MVNOはこのセキュリティキーの発行が出来ないとなると、なんだか片手落ちのような気はします。操作自体が難しいので、この段階まで到達出来る人が果たしてどれだけいるかは未知数ですが、ただでさえ混んでいる郵便局の窓口にスマホを片手に訪れるおばあちゃん達がひしめき合っている姿を想像すると、それだけで胸が熱くなります。本当は郵便局のMVNO参入をきっかけにして、このキャリアメールに関しての議論がまた起きれば良いのではないかと思います。
本日のまとめ
キャリア（携帯）メールの見えない呪縛というのは、MVNOに乗り替える時だけでなく、MNPで他社に移ろうと思っている人にとっても面倒な悩みだろうと思います。メールで移転を知らせれば良いだけと簡単に言う人もいますが、事情は人それぞれあるので一概にそれで解決するとは言えないでしょう。その一方で、考えすぎの人もいるのではないかと思います。えきねっとのように携帯からしか登録できなくなるようなことが、今後他のサイトでも起きない保証はないですから、そんなことまで心配しだしたらキリがありません。
個人的には、Gメールもキャリアメールと同じように扱われると良いなと思いますし、あるいはMVNOもキャリアメールとして使えるようなメールアドレスを作って、このキャリアメール問題が解決されるのが一番良いのではないかとも思っています。
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