アメリカ女優のヌード写真流出から考えるクラウドのセキュリティ

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Jennifer Lawrence at the 83rd Academy Awards Red Carpet

来週にも新型iPhoneの発表があると噂される中、それに味噌を付ける形でアメリカの有名セレブ女優やモデルのヌード写真が流出しました。被害者はアカデミー賞女優のジェニファー・ローレンス、人気歌手アリアナ・グランデ、アヴリル・ラヴィーン、女優で歌手のビクトリア・ジャスティス、モデルのケイト・アプトンら100人前後の女性セレブと言われており、流出元はAppleのストレージサービスiCloudだと目されています。これを受けてAppleでも調査を始めたようですが、各界に与えた衝撃は相当なものです。ということで、昨日の続きは次回以降に回して、一旦この事件について考えてみます。

米女優らのヌード写真が多数流出か、大規模ハッキング被害の恐れ

アカデミー賞女優のジェニファー・ローレンス(Jennifer Lawrence)さんや人気歌手リアーナ(Rihanna)さんら多数の有名人の裸体を写したとされる写真が8月31日までに流出し、ソーシャルメディア上で拡散する事態となっている。米メディアは、トップスターを標的にしたハッカー攻撃による大規模な流出事件が起きた可能性を報じている。
AFPBB News2014年09月01日 12:09


米芸能人のヌード写真流出にIT業界震撼、高まるクラウドへの懸念

AFPBB News2014年09月02日 09:45

 ITニュースサイト「ザ・ネクスト・ウェブ(The Next Web)」は、紛失したモバイル機器を見つけるためにアップルが提供しているアプリ「iPhoneを探す(Find my iPhone)」のサービスの脆弱(ぜいじゃく)性をハッカーらが発見した証拠とされるものを報じている。同サイトによるとアップルは既にこのセキュリティーホールをふさいだが、ハッカーらの間にこの情報が拡散した後だったため、ネット上に保存されている個人ユーザーのデータの流出につながった可能性があるという。

一方、一連の写真は複数の場所から数年間かけて収集された可能性があり、「iCloud」は流出元に含まれていなかったかもしれない、との報道もある。ニュースサイト「デッドスピン(Deadspin)」は、写真の購入を持ちかけられたと話す人物から8月上旬に接触を受けたことを明らかにしている。

これだと、以前にここでも取り上げた、Android デバイス マネージャーにも似たようなバグが無いのか気になってしまいますね。

ただ、TechCrunchの以下の記事では、別の可能性も疑っているようです。

ジェニファー・ローレンスのヌード写真はなぜ流出したのか―ハッカーから身を守るには?2014年9月2日

さて、まず、クラウドそのものが攻撃対象になった場合には、本人には打つ手がありません。できることと言えば、クラウドサービスを利用しないことくらいでしょう。ファイルを暗号化するというのもひとつの手段でしょうが、それも解読されない保証はありません。第一、暗号化することで、自分の使い勝手が悪くなってしまうのは、あまり喜ばしいことではないでしょう。手間と安心は表裏一体かもしれませんが、安心を得られる手間が掛かり過ぎるのでは、使うメリットも減衰してしまいます。

根本的な解決策は、人に見られて困るような写真はネット上に置かないということでしょうか。これも、ネットに繋いでいないDVDや外付けハードディスクに入れておいて安心していたら、泥棒に入られて根こそぎ盗まれたなんてこともあったようですから、絶対安心ではありません。

裸の写真は撮るな、というのが一番の解決策なのかもしれませんが、これも自分では知らないところで盗撮されたりすることがありますからね。そこまで気にしたら、今度は公共の風呂やトイレは利用するな、ですか。あまり現実的ではありませんね。

特にこういう事件が起きると、我が意を得たりとばかりに、女性が自分の裸の写真を撮るのがおかしいという人がいますが、私個人の考えを申し上げれば、女性が綺麗な自分の写真を残したいと思うのは、むしろ自然なことのような気がします。特に今はデジカメ時代ですからね。昔の銀塩写真なら、現像の段階で写真屋さんに弾かれていましたが、今は撮ったその場で確認できるし、スマホの高画質カメラでいくらでも撮れますからね。

そう言うと、男に言われて撮らせるのがおかしいと、これまた反論されるでしょうが、それも相手の男に嫌われたくないという女心だとしたら、あまり責めるのは可哀想だと思うのです。もちろん誰よりも傷つくのは本人で、そうならないための戒めとして意見するのでしょうが、仮に個人が標的にされた場合に、果たして防ぎきれるでしょうか。昨年の片山祐輔被告が起こしたパソコン遠隔操作事件のように、いつ自分が被害者になるかも知れません。

ただ、その原因を作っているのが本人である場合は、やはりバカッターと同じように非難されても仕方ないんでしょうか。もし出来るならば、誰にも破れない強固なセキュリティを開発して欲しいと願うばかりです。

ところで、有名女優のヌード写真ということで、やじうま根性を出して写真を探しまわるのは、飛んだ落とし穴にハマる危険があります。特に英語の怪しいサイトや、2ちゃんねるなどの掲示板でも、フィッシング詐欺サイトに誘導するものや、ウィルスが含まれている圧縮(zip)ファイルをダウンロードさせようとする輩がいるので、安易に飛びつかないようにしましょう。

(photo by Red Carpet Report on Mingle Media TV Jennifer Lawrence at the 83rd Academy Awards Red Carpet IMG_1081)

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